世界最強のパスポート

知っていましたか?

ビザなしで渡航できる国や地域の数を比較した世界のパスポートランキング2021年版が1月に発表され、日本が4年連続で首位をキープしていたそうです。

このランキングはイギリスの調査会社が毎年、国際航空運送協会(IATA)をデータを基に発表しているとのこと。

なるほど。

ふむふむ。

知らんかった。

へー。

最近ふと観たYouTubeで知りました。

その内容は「日本のパスポート出したら、役人の態度がコロっと変わった」とのこと。

日本のパスポートの信用力たるや、ドヤッ( ˘ω˘ )、ってお話でした。

このパスポートランキングは2006年から調査し始めたそうだけど、初めてオーストリアへ渡った30年前の1991年当時でも、私はすでに肌で感じていました。

まさに、「日本のパスポートを出したら、お役所の態度がコロッと変わった」ってやつ。

当時は「なんか知らんけど、ラッキー」

くらいにしか思ってなかったけど。

だって、当時私の周りの一般ヨーロッパ人は日本のことをよく知らなくて、「日本ってどこにあるの?」とか、「日本人って何語話すの?」とか真顔で訊いちゃうレベル。

「カミカーゼ!」

「ハラキーリ!」

「ニーンジャ!」

そんなレベル。

日本て何?みたいな。

でも入国審査の役人たちは大分違っていた。

毎回ドイツへ入国するときもゆるいな〜って思ってましたが、特にヨーロッパ内を移動するとき。

ヨーロッパ内で国境を越えるとき。

酷く印象に残っているのは2つ。

一つはミュンヘンの語学学校に通っていたとき、日本人の友人が1週間ほど私を訪ねてきて、一緒にオーストリアへ旅行していたとき。

私は電車のトイレに入っていて、友人はその前で私を待っていた。

私がトイレから出ると、2人の屈強な男性が2人、その友人を囲んでいた。

私の顔を見て、「Juki…この人たちが…」と半泣きな友人。

「Was ist denn hier mit meiner Freundin los?(私の友人がどうかしましたか?)」

と少々眉間に皺を寄せて訊いた私に、

「Ihren Pass, bitte! (パスポートお持ちですか?)」

と、これまた相手も眉間に皺。

そんな顔したって全然平気。

だって私たちは何も悪いことしていない。

なので私は斜めがけバッグの中からパスポートを出そうとしました。

パスポートが鞄から半分くらい露出した瞬間。

「Ach, sind Sie Japaner? (あれ?あなた日本人?)」

急に表情が和らいだ感じ。

「Ja, und sie ist aber auch Japanerin.(はい、彼女も日本人ですよ)」

と返事する私に、彼らは少し笑を浮かべて、

「Dann ist‘s gut, also, gute Reise! (ならいいです。旅行楽しんでくださいね)」

って、2人とも次の車両に行ってしまいました。

おいおい、パスポート開いて見てもいないぞ?

友人のパスポートもバッグから出してすらいない。

チェックしなくていいの?

お巡りさん、オーイ!

その役人たちは、日本のパスポートの色を知っていたみたい。

当時は5年パスポーもなくて、日本のパスポートは赤一色だった。

二つ目はオーストリアの語学学校に通っていた頃、そこで知り合った日本人のお姉さんとイタリアはローマへ電車旅行したときだった。

国境を越えるときやっぱり入国審査があったんだけど、窓口が「EUの国」と「EU以外の国」と二種類あった。私たちは当然「EU以外の国」に窓口に並んでいたのだけど。

「EU」の窓口はがら空き。ヨローッパ人と見られる人たちがスイスイ通り抜けていく。

対して「EU以外の国」窓口は長蛇の列。

人数はそれほど変わらなかったのだが、なんせ一人一人のコントロールが長い。

中々前に進まない。

しかし、私たちの列の横を通りがかった役人さんが、私たちに気づくと声をかけてきた。

「ジャパン?」

ジャパン?

そうそう、私たち日本人。

「イエス、イエス」

そうそう。って、言いながら例の赤いパスポートを掲示する。

すると背中を押され、並んでいた列からEUの国の窓口へと誘われた。

「コッチコッチキテー」

「いやいや、私たちヨーロッパ人じゃないし(見ればわかるダロ)」

とヒラヒラと両手を降ってみるも、背中をグイグイとおされ、EU共同体のマークの窓口へと追いやられる。

結論から言えば、もののの数分で国境を越えられました。

EU諸国以外の国の窓口に並ぶ長蛇列を尻目に、スイっと国境を超えてしまった私達に、他EU以外の方たちもさほど気にする様子もなく。

日本人だろうが、中国人だろうが、韓国人だろうが、欧米人にとってはほとんど変わらなないでしょう。

それでも、日本人っていう事実と、赤いパスポート。

これは先人達が外交によって日本への信頼を勝ち取ってきた証。

少なくとも30年前にはもうすでに、である。

世界最強のパスポートを持つ日本人とは、つまり、世界に沢山の親友がいるということ。

決して、自分たちが人種として他のEU諸国以外の人たちよりも優れていると思ってはならない。

あくまでも自国と相手国の関係が良好である、それだけ。

日本の政治家に賛否両論あると思いますが、少なくとも外交に関して私個人的には絶大たる賛辞を送りたい。

現在の日本のパスポートは5年まで紺色、10年までの赤色、とありますが、成人しているのであれば、是非赤色(10年パスポート)をお勧めします。

Juki

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