ドイツ 近代短編小説

「ノヴェレ」という言葉の起源については諸説ありますが、本来は法律学の言葉で、ユスティニアヌス法典に由来し、「新法」に対する名前であると言われてます。「新しい」、「新奇な」という意味で文学上の名称に転用されました。18世紀末にゲーテが書いた『ドイツ避難民閑談集』で特にノヴェレという言葉は用いてませんが、ずっと後に出した短編小説では『Novelle』というタイトルを用いています。

ロマン主義者たちは、長編小説だけではなく時を同じくして短編小説の形式も愛好していました。形式としてはロマンと同じく散文ですが、短い物語です。ノヴェレは戯曲とよく似た性格をもち、巧妙に作られた波乱に富んだ事件を単に報告することから発展して、予期しない結末で読者をおどろかせます。ノヴェレの一般的定義は困難ですが、短い散文物語であることを基本的な形式とするメルヘンは、ノヴェレに分類されます。

想像力を自由にはたらかせ、いっさいのジャンルを越え、現実と非現実を一つにした世界を描こうとするロマン主義者にとって、時間や空間の制約にしばられないメルヘンの形式はもっともふさわしいものであったのです。

ロマンの中では複数の出来事が主人公のまわりに起きるが、ノヴェレには主人公がいません。ノヴェレの人物は、事件を引き起こすきっかけであり、その事件の中心であるにすぎないといえます。ノヴェレはメルヘンを除いては、作り話ではなくて、事実、史実にもとづく、もしくは実際に起こりうる出来事を描きます。そしてロマンのように複数の事件を並列させるのではなしに、ただ一つだけの事件を濃縮し、直線的にとりあつかいます。

ロマン主義の代表作とされる作品の中に、それも散文の分野にかぎってみても、未完成に終わるものが多くあります。これはロマン主義者がきわめて批判精神にとんでいたからであり、それは自分自身が生み出したものまで絶えず否定しようとする態度を生み、安定した結末へ導くことができなかったからです。

そんな未完の作品を数多く生み出したロマン主義者たちであったが、完結した形をとるノヴェレを好んでいたのには理由があります。ノヴェレの特徴は人物に対して事件が優越することであり、出来事の原因と結果の関係を論理的に解き明かす必要もなければ、人生についての考察をおこなう必要もありません。合理的に説明でない経験を、超自然的なモチーフを用いて描くノヴェレは、ロマン主義者たちの体質に適していたのです。

ロマンもノヴェレも、動乱の時代に生き、非合理的な幻想と神秘の領域に分け入ろうと
した、ロマン主義者の開拓した文学の新天地だといえます。

参考文献

阿部謹也 (1998) 『物語 ドイツの歴史−ドイツ的とはなにか』 中公新書

藤本敦雄 (1977) 『ドイツ文学史』東京大学出版会

2015/11/9書
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