何かを学ぼうという、学習意欲を持たせる動機付けは、大きく分けて2種類あります。
例えばドイツ語学習の場合。
① 外発的動機付け
このテストで良い点を取ったらご褒美が貰えるとか、給料が上がる、先生に褒められる、という、外から与えられる意欲。つまり、利益追求型。
例:「私、ドイツ語苦手なんだけど彼がドイツ人なの〜、でね、検定に受かったら結婚しようって言われたの〜♥︎」
② 内発的動機付け
自身の内側から湧きでてくる意欲。ドイツが好きで、自分が今どのくらいのレベルに達してるか確かめたいとか、毎回試験に合格すると大きな達成感が持てる、とか。
つまり、自己満足型。
例: 「何で検定受けるのかって聞かれても困るな、そこに検定があるからだよ!」
諸々の研究によると、自己から湧き出て来る動機付けの方が、外からの謂わばご褒美型の動機付けより、モチベーションを保ち続けるそうです。教育学心理学だの統計学だのを持ち出さなくても、それは検定後を想像すれば解ります。
例えば何かの検定試験の後、①と②のどちらの動機付けされた方が、次の検定をまた受けようと思うか。
例えば受かった場合。
① 「ヤッター、受かったー、褒められたー、終わった終わった♩」
終わった、と思っても仕方ないですね。だって検定に受かることがゴールだったのだから。もう一度動機付けされる為には、また自分以外の誰かに動機付けてもらわなくてはいけません。
② 「ヤッター、3級受かった! よし、次は2級だ!」
もちろん、3級まで取れば満足だ、という人もいます。しかし、自分自身で動機付けている人は検定終了後、間髪入れずに「よし、次も頑張るぞ!」再び動機付けすることができます。
まぁ、「好きじゃないと続かないよね理論(?)」です。
なので、私たち講師には、外発的動機付けられている学習者を、如何に内発的に動機付けされている状態へ持っていけれるか、が重要になってきます。つまり、例えばドイツ語講師なら、ドイツ語が話されている国の文化や、ドイツ語自体を好きになってくれるようなレッスン方法と内容を常に模索しなければならないのです。
具体的には生徒さんから「へぇ〜 、そうなんだ〜」とか「なるほど〜」という感嘆の言葉を引き出せるようなレッスンです。この感嘆の言葉は私にとって、ドイツ語への興味がどんどん湧き出る音に聞こえるのです。鳥肌が立つくらい嬉しい音なのです。
外国語学習者の皆さんも、一度ご自分がどのように動機付けされているのか確認してみてください。外発的、内発的と両方に動機付けられてる方もいるかもしれません。先に挙げた例でいえば、「もともとドイツが好きでドイツ語の響きも好き、ドイツ人の彼と結婚してドイツに住むことになったから、ドイツ語の勉強頑張るぞ!」ってな人。
しかし、実際外発的であろうが内発的であろうが、学習者本人にはあまり重要ではないかもしれません。的確に把握して欲しいのは、講師や先生の方です。自分の生徒がどのように動機付けされているかは、学習者に合った学習方法を実践するためににとても重要なのです。
なので、学習者の皆さんはまず指導者に少なくとも、
「学ぶ動機」・「目的」
だけはしっかり伝えて下さい。知識や技術教授してもらう前に、ご自身を先生に理解してもらいましょう。その為には雑談や世間話も時には有効です。
先生とのコミュニケーションは、学習がより効率的になるということだけでなく、緊張し過ぎないレッスン環境を作ることが出来るのです。