Weißt du wieviel Sternlein stehen

4月の歌は”Weißt du wieviel Sternlein stehen”に決定。
毎週土曜に某文化センターでグループレッスンしています。
このクラスでは毎月ドイツ語の曲を一つ選び、レッスンの最初にみんなで歌ってます。
私は歌を歌うのは大好きなので全く苦では無いのですが、中には歌が苦手な方もいらっしゃいますよね。なので、別に大きな声で歌ってくださいとは言いません。
隣の人に聞こえなくたって構いません。口パクでも結構です。
メロディーラインにドイツ語を乗せて、一つ一つの単語を丁寧に、子音を強く発音し、音にはめるようにと、お願いしています。
毎回皆さんの歌声を聞いて癒されてます。

さて、3月の歌は”Ich bin ein Musikante”ですが、4月の歌は”Weißt du wieviel Sternlein stehen”に決定しました。

で、日本語訳なのですが。

会話として、ドイツ語を和訳するとき、私は直訳を推奨していません。
もちろん翻訳ではきちんと文法を理解し、詩では韻が踏んでいるところや、作者の意図を汲み取り、正しく訳すのが必要とされるでしょう。
私も翻訳のお仕事は何度か経験があります。しかし、実際の会話で必要とされるのは意訳、もっと言い換えれば「中間言語」です。つまり発話された内容を、自分がアウトプット出来る語彙を使って「言い換える」ことです。
発話された独文を、意味や表現を一切変えずに日本語訳するのは不可能ではありません。
でも、それって時間かからない?
しかも、我々日本人ってば、間違いを恐れる完璧主義なところがある為(別に悪いこととは思っていません)、満足のいく直訳をしたとしても正しい文法にこだわってしまいます。
こんなことしていては、どれだけ会話が滞ってしまうのでしょう。
親しい友人になってしまえば良いのですが、初対面相手に沈黙が多く流れてしまうと、相手は苦笑いで去って行ってしまいます。
経験者は語る、です。私も何度か悔しい思いしました。
5行ほどのドイツ語文を1行で意訳できるようになれば、会話のテンポが格段に上がります。

できるだけ意味を変えずに、例えばということで4月の歌”Weißt du wieviel Sternlein stehen”を訳してみました。
これはあくまでも、会話としての意訳です。
文献の独和翻訳としては適しません。(こんな風に翻訳してしまっては作者に怒られます)

Weißt du wieviel Sternlein stehen
an dem blauen Himmelszelt?
Weißt du, wieviel Wolken gehen
weithin über alle Welt?
Gott der Herr hat sie gezählet,
dass ihm auch nicht eines fehlet
an der ganzen großen Zahl.

お空にはお星さまがいくつあるのかな?
世界中にはどのくらい雲が流れてるのかな?
それはそれは沢山の数なのに、神さまは一つも間違えずに数えたんだよ。

もっと簡単に「空のお星様いくつ?雲は?神様は全部数えたんだよ」

Weißt du wieviel Mücklein spielen
in der heißen Sonnenglut,
wieviel Fischlein auch sich kühlen
in der hellen Wasserflut?
Gott der Herr rief sie mit Namen,
dass sie all ins Leben kamen,
dass sie nun so fröhlich sind.

熱い熱い太陽の下で、蚊が何匹飛び回っているのかな?
キレイな川の中で、何匹くらいのお魚が涼んでいるのかな?
神さまが皆の名前を呼ぶ、すると彼らは命を与えられてそれはもう喜ぶんだよ。

もっと簡単に「夏に蚊は何匹飛んでる?涼しい川の中の魚は何匹くらい?みんな神様に命を貰って喜んでるね。」

Weißt du wieviel Kinder frühe
steh’n aus ihrem Bettlein auf,
dass sie ohne Sorg und Mühe
fröhlich sind im Tageslauf?
Gott im Himmel hat an allen
seine Lust, sein Wohlgefallen,
kennt auch dich und hat dich lieb.

朝ベットで起きて寝るまで、1日中心から楽しく過ごせる子どもたちは何人いるのかな?
ねえ、知ってる?神さまは子どもたちがお気に入りで、あなたのこともよく知ってるの。あなたのことも大好きなんだよ。

もっと簡単に「幸せな子どもは沢山いるよね。神様は子ども好きだから、君のことも大好きだよ。」

以上です。

省略しすぎでしょ!と突っ込みたくなるところでしょうが、これでも多いくらいです。何度も言いますが、翻訳のときと日常会話のときの意訳は全く別物です。
相手の発話を、細かい文法単位で解読(過去形?未来系?受動態?動詞は?目的語は?)していては、相手はあなたの完成された発話を待つのにどれだけ待てばいいのでしょうか。
中級者まで、文法に注意が必要なのは、相手の発話ではなく自分の発話です。
相手の話はザックバランに聞いといて、分からなければ「それどういう意味?その単語知らないの」と聞けばいいのです。そのかわり、自分の話は極力文法に気をつける。毎回同じ言い回しでもいいので、正しい文法で発話することを心がけるのです。そうすれば、会話のスキルと文法能力の二つが同時強化させることができるかも。

私の中間言語は私だけのもの。
あなたの中間言言語もあなただけのものです。

よく通訳さん同士で囁かれる「あの訳ちょっと違うよね〜」ってやつ。
あまり気にしなくても良いと思います。
2017/3/21書
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